走水の手前で冷や水(2)
上段左:三浦海岸菊名にて、右:金田湾北部の走り水? 中段左:久里浜の3基の砲台跡、右:海ガモの寄港地、鴨居漁港より久里浜沖を臨む。下段左:三浦海岸にて大量の砂を確保してくれているイワダレソウ群落、右:セグロカモメ(中央)とウミネコ。
冬、三浦半島東岸にはおびただしい数の、そして多種のカモメがやってくる。ゴムひものように伸びたり縮んだりしながら漁船を追い、金田湾沖で鳥山をつくるさまは壮観である。半島西岸では見られない光景だ。
というわけで、11月9日10:00三浦海岸菊名から、対岸の淡い房総半島と、右奥の雨崎につながる濃い陰影と、手前の黒々しい岩礁に囲まれた輝く濃紺の海に漕ぎ出した。ワカメ筏の横を抜けるとユリカモメ20羽ほどの群れがエサ探ししている。ほかに鳥影はほとんどなく拍子抜け。どこに行ったんだろう。鴨居漁港の海ガモに期待して北上する。下げ潮のはずなのに、潮流は北に向ってぐんぐん走っているようだ。
ここは1年前やはり南から海驢(アシカ)島をめざしたものの、強風で引き返したうえ、視認フラッグを海中に落としたMy難所。久里浜港の南に隣接する東電に近づくにつれ、追い波がかさを増し、返し波も立ち始めた。はるか前方の防波堤を見れば、白波が派手に砕けている。港からは金谷に向う東京湾フェリーが出てくる。高波と出船入船の二重恐怖。行くか戻るか、逡巡してると、前代未漕のロデオになってきた。もうターンなんてできん。
ふと、昨夜見た沖縄横断ツアーの動画がよみがえる。シーカヤックはあんな波浪だって乗り越えちまった。カヤックの性能を信じるべし。パドルを振り回すこと数分。ほどなくピークはすぎて、久里浜港の入口で貨物船と漁船を見送り、追い波サーフィンを数回するとウソのように波はおさまった。
帰宅後、海上保安庁のデータを見てみる。浦賀水道の三浦半島側では観音崎についで久里浜港沖の潮流が速い。9日11:00の下げ潮は観音崎で0.8ノットだから、久里浜港沖は0.8~0.5ノット位か。そこに逆風の南西風6~10m/sが吹けば高波になるのだろう。ちなみに湾口最強時の下げ潮は走水1.2ノット、観音崎1.1、浦賀0.5、久里浜港沖1.1、金田湾北部0.3、金田湾南部0.2(1972年)。久里浜港前はMy難所というより、みんなの難所なのだった。みなさん、ごぞんじでしょうけれど。港のまん前なので観音崎よりこわいです。
千代が崎、灯明崎も緑の多い美しい自然浜だが紅葉はまだまだ。浦賀ドックを囲む山もまだ緑々している。鴨居漁港にはアオサギ1羽と、潮干狩りする女性達のみ。初声の小松ケ池でも今年はカモが少ないという。数日前、北海道大沼のハクチョウの渡りが激減しているとの記事を読んだ。ちょっと気になる渡り鳥シーズン。南西風が予報より早くあげてきたので、鴨居で切り上げることにする。
浦賀までバスに乗り、京急に乗り継ぎ、車を置いた三浦海岸に戻る。ウエットにカヌーシューズの風体でのどかなプチ・ローカル旅を楽しんでいると、金髪、厚化粧、短パン・ミニスカ重ね着、ルーズハイソックス、カカト踏んづけ女子高生が乗り込んできて、やっちゃん顔負けの開脚座り。珍・風体大賞はアンタに譲ろう。
房総半島がくっきり見えると、三浦半島東岸からの眺めは巨大な湖を見ているようだ。東京湾側で何かユニークな切り口でカヌーが出来ないかと考えている。





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